卒業生インタビュー
~わたしの東京女学館物語~
CAREER
TOKYO JOGAKKAN STORY
1986年卒

根本香絵さん

国立情報学研究所情報学プリンシプル研究系教授
お茶の水女子大学大学院卒
中学時代は、物理化学部に所属。お茶の水女子大学大学院卒、博士(理学)。専門は理論物理学、量子情報・計算、量子力学。豪州クイーンズランド大学・英国ウェールズ大学研究員を経て、2003年より国立情報学研究所助教授(准教授)、2010年より国立情報学研究所情報学プリンシプル研究系教授。米国物理学会及び英国物理学会フェロー。

東京女学館での思い出

在校生時代に校地のあちこちにあったけやきがとてもきれいだったのを覚えています。私が女学館に入ったことの理由の一つにもけやきの美しさがありました。けやきは形もストレートで枝が広がっているのに、その先に繊細な葉がつくところが好きです。物理化学部では、自分でみつけてきた実験をやらせてもらっていました。物理系の実験はデザインしにくく、今思えば難しかったように感じます。また、先生方が典型的でない生徒の振る舞いを許してくださったこと、またとても心がきれいで素敵な方々がお友達になってくれたこともとても良かったと思っています。

現在のお仕事

国立情報学研究所情報学プリンシプル研究系で教授をしています。小さい頃から物理に興味があり研究をやりたいと思っていました。今は量子力学について研究をしています。また教授として講義を持ち、学生の研究や就職の指導もしています。 100年以上も前から議論されてきた量子力学を、今までよりもう一歩踏み込んで量子的なものを直に操って、非常に小さなものを作り、人々の生活に役立つような研究を行っています。まだわからない、ということが実は宝。失敗をしても落ち込むのではなく、楽しみながら先に進むということを大切にしています。これからは研究を若い人たちと一緒に頑張っていきながら、一人ひとりが科学を使って生きるということに貢献していきたいと思っています。

 

女学館での学びで現在に生きていること

研究をやっていく上で、どの教科も大切であり、成績が良くないからといってその分野を諦めてしまうのではなく、自分が真剣に向き合えるものに向き合っていくことが大切だと今にして思います。現在の生徒のみなさんにも、女学館時代にそれをみつけてほしいと願っています。  研究とは道なき道を行くこと、人類にとって未知な領域に踏み込むことなので、不安なことがあっても、それを乗り越えて一歩踏み出すという勇気が大切であり、また失敗しても次に進み続けるということにもまた、勇気がいります。勇気は研究だけではなく生きていく上でもとても大切であると思います。

(記者:中3 R.T・M.N)

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