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学習・進路生徒の活動

高二古典探究  「絵で読む源氏物語 ―《車争図屏風》《焔》を題材に―」を実施

11月6日・7日、高二文系の必修授業[古典探究]において、文化財活用センターの方にご来校いただき、「絵で読む源氏物語(使用複製品:重要文化財《車争図屏風》狩野山楽筆・《焔》上村松園筆)」というプログラムを実施していただきました。

《車争図屏風》は、豊臣秀吉の側室の淀殿が、嫁ぐ養女の完子と新郎のために新築した九条御殿の襖絵だったもので、本物は東京国立博物館に所蔵されています。『源氏物語』の中でも有名な、葵の上と六条御息所の行列見物の場所争いの様子を描いている、非常に躍動的な作品です。

《焔》は光源氏への愛情が深い余り、嫉妬に狂って生霊となってしまった六条御息所を描いています。打掛けの柄にも人物の心情を表す工夫が見られ、鑑賞する者を引き込むような作品です。

授業では、このプログラムに向けて1学期後半から『源氏物語』を学習し、夏休みには登場人物について調べる課題を経て、2学期はグループ発表を通して理解を深めてきました。当日、生徒達は熱心に解説を聞き、掛け軸や屏風を間近で興味深そうに眺めていました。以下、生徒の感想を紹介します。

 

「焔」は遠くから見ているとお歯黒であることに気付けなかったため、今回のように、作品を間近で感じることのできる機会を大事にしたいと思いました。また、足をぼやかして描くことで霊であることを示唆しており、描き方で人物が六条御息所であることを推測させている、ということに感心しました。

「車争図屏風」はもともとは襖であったこと、また徳川家康が描かれていることに驚きました。美術館では一定の距離と暗さでしか絵を楽しむことができませんが、今回は複製品ということで蛍光灯を点けたり消したり、また至近距離で絵画を楽しむことができ、非常に良い体験をさせていただきました。(高二 I.S.)