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学習・進路

春風亭昇太師匠をお招きして「落語講座」を開催しました

 2月5日(水)、中学1・2年の全生徒が参加して、本校の講堂にて「落語講座」を行いました。講師は、昨年に引き続き、落語家の春風亭昇太師匠が引き受けてくださいました。
 最初に昇太師匠から、「落語の歴史」についてスライドを使って解説いただき、他の古典芸能と比較したときの「落語の自由さ」など、落語の特徴について分かりやすく教えていただきました。「正座」が落語の発達を促したとする視点はとても新鮮でした。

 次にもう一人のゲストとして、曲独楽(きょくごま=コマの曲芸)師の三増紋之助師匠にも登場いただき、ユーモアたっぷりに華麗な芸を披露していただきました。教員がサポート役として登壇すると、生徒たちは大喜びで大変な盛り上がりでした。

 再び昇太師匠が登場して高座に上がると、最初は師匠の大学生活など世間話が続くと思いきや、いつのまにか落語の実演に移行しており、生徒たちは師匠の噺に自然と引き込まれていきました。
 昨今、自然な言葉を流暢に生み出す生成AIが登場していますが、落語の面白さを味わうことができるのは人間だけの特権でしょう。このような時代だからこそ、言葉が持つ「文化」としての側面に触れる貴重な機会をいただいたことを嬉しく思います。
 昇太師匠・紋之助師匠のお二人のおかげで、生徒たちは貴重な学びを経験することができ、また笑いが絶えない楽しい時間を過ごすことができました。本当にありがとうございました!

生徒の感想

【昇太師匠の落語について】

・江戸時代に銭湯で落語の広告が掲示されていることに驚きました。また、なぜ外国には落語が生まれず、日本だけに生まれたのかという話では、日本ならではの「正座」が関係していたことが実演を通して知ることができて、とても納得できました。

・いろんな人の役を一人で演じていて、確かに落語はお笑いではなく演劇の一つだというのは納得でした。昇太さんは大学に通い始めたそうですが、その枕の話もとても面白かったです。私だったら面白くできないような日常の話も、言葉を工夫して面白くしているのだろうなと思います。プロの技です。昇太さんは笑点のイメージが強かったので、落語を聞くことができてよかったです。

・昇太さんがドアをノックするシーンが印象に残っています。どうやって音を鳴らしているのか最初はわからなかったけれど、右手で扇子を持ち、高座を叩き、左手でノックする仕組みを知って、感動しました。落語は一人でたくさんのことを表現できるからこそ楽しいし、面白いなと思いました。

・ピンなのかピンではないのか、ハラハラしながら聞いていました。言葉だけでどのような場面かを想像することができ、改めて昇太さんを尊敬しました。もっと日本語の言葉を勉強して、落語の中に出てきたわからない言葉を理解できるようになりたいです。

・古典芸能を理解するのは難しいというイメージを持っていましたが、落語はわかりやすくて面白かったです。古典の世界と現代の世界を織り交ぜながら話を展開していて、自分でも理解できました。また、落語で周りの席の子と笑うことでもっと仲良くなった気がしてよかったです。

・昇太さんは今、大学生をされているという話を聞きました。やはり大人になるにつれあまり勉強しなくなってしまうと思いますが、久しぶりにやると勉強は面白いと感じられるという話を聞いて納得しました。自分が面白そうだと思ったことや興味のあることに、今から積極的に挑戦したいと思いました。

【紋之助師匠の曲独楽について】

・こまにも大きなこまがあるということを知ることができました。棒の先や刀の先までこまが回りつづけているのが感動しました。技を出すたびに想像をこえてきたので、見ていてとても楽しかったです。

・紋之助さんが技を行う前に落ち着こうとしている姿を見て、難しい芸をするには余計な考えごとをしてはいけないのだなと思いました。

・古めの音楽に古めの衣装、古めの小道具でよくわからないかも…と思っていたのですが、紋之助さんの明るい性格と「となりのトトロ」という私たちに身近なアイテムのおかげですごく楽しめました。ディアボロなど現代的なこまも見てみたいと思いました。笑顔がすてきな先生でした。