グローバル
チェコ共和国ポジェブラド校の訪問団との音楽交流
9月27日(土)、チェコ共和国Gymnazium Jiriho z Podebrad(ポジェブラド校)より、卒業生を含む24名の生徒と2名の先生方による訪問団が来校しました。昨年が初の来校で、国際コースの高校生(現高2・高3)と交流し、心あたたまる交流企画の数々はチェコの生徒にも本校の生徒にも忘れ難い時間となりました。昨年の感動を経て、今年は待望の2度目の来校で、昨年に続き再び来校してくれたメンバーもいて、嬉しい再会となりました。
午前中は4時間にわたり国際コースの高一と交流し、ランチを一緒に取り、お互いの文化や歴史、学校について教え合ったりクイズで盛り上がったり、ほぼ1対1で話す時間があったり、知的好奇心の満たされる、中身の深い交流が実現しました。チェコの生徒にとっても本校の生徒にとっても「英語」という母語ではない言語での交流でしたが、英語をツールとして日常的に使いこなすことの意義、そして何より、国や文化が異なっても気持ちが通い合うことの素晴らしさを再認識させられました。
【初の音楽国際交流】
チェコはドボルザークやスメタナ、ヤナーチェクなど優れた音楽家を輩出した国で、音楽が文化の一部として人々に根付いていることを感じさせます。今年の交流の特筆すべき点は、来校したチェコの生徒たちが全員オーケストラまたは合唱の活動をしているメンバーということで、「ぜひ音楽交流がしたい」との相手校からのリクエストに応え、本校のオーケストラ部、合唱部、ギター部とのジョイント演奏が実現しました。海外訪問団との音楽を通した国際交流は本校の長い歴史の中でも初めての試みと思われます。
曲を決め、楽譜を共有するところから始まり数か月にわたり動いてきたこのプロジェクトは、ホスト校として合唱部による校歌紹介に始まり、チェコの生徒たちによる素晴らしい演奏を挟み、全員参加でのバッハ「主よ、人の望みの喜びよ」の演奏と共に大成功のうちに幕を下ろしました。
音楽は軽々と人々のボーダーを超え、お互いの心を結びつけていきます。この音楽交流は、まる一日にわたる交流のハイライトとして、参加した生徒はもちろん、観客の生徒や保護者の方々にも大きな印象を残したことでしょう。
生徒の感想
【高1国際コース チェコ訪問団受け入れ実行委員生徒より】
9月27日午前中に高校1年国際コースの生徒とチェコ共和国からの訪問団との交流会を行いました。朝、高校生全員が講堂で歓迎式を行い、私たち高1国際クラスのチェコ訪問団受け入れ実行委員によるスピーチを日本語、英語、チェコ語の3か国語で行いました。訪問団の方々は私たちのスピーチの間、チェコ語でお話をすると、目を見て頷いてくださって、それまでチェコ語に全く触れたことはありませんでしたが、落ち着いてスピーチを行うことができました。
その後4時間の間、チェコ訪問団の方々と交流をしました。実行委員は夏休みが明けてから毎週の打ち合わせで、当日のスケジュールや、どのような配慮が必要なのか、また東京女学館についてのパンフレット作成などを行い、より交流を深めるための議論を重ねてまいりました。
初めは4、5人のグループに分かれ、スクールツアーを実施しました。会話は英語で行いますが、英語はお互いにとって第二言語であるため身ぶり手振りをしながら意思疎通ができた時にはコミュニケーションを取ることの楽しさを実感しました。委員が準備した資料をもとに各グループでお互いの国や学校、文化の違いについて話し合いをしました。
次に、全員が集まって、訪問団の皆さんからチェコ共和国についてのプレゼンテーション、そしてKahootでクイズ、チェコ語での歌を習いました。プレゼンテーションの中には、国の歴史や訪問団のみなさんの演奏についての動画もあり、初めて知ることばかりでしたがユーモアも多く含まれていて、さらにグループでの絆も深まりました。さらに、ダンスも披露していただき、実際にチェコ伝統のポルカを体験させていただきました。
そして、私達のクラスからは、日本の伝統的な踊りで、毎年女学館の高校一年生が体育大会で踊る、「みかぐら」を披露しました。ポルカとは全く異なるリズムやステップ、体の使い方に大変驚かれていましたが、大きな拍手で発表を盛り上げてくださいました。
交流の最後には、食堂にて各グループで昼食を取りました。チェコの方々にはお弁当をご用意し、日本の食事も体験していただきました。多くの方は今まで日本食を食べたり、お箸を使ったりしたことがないそうで、私たちが日常と思っていることも国が違えば日常でないことを身をもって感じました。来日される観光客の方々は日本文化をご存知であることが多いと感じます。そのため、これまで私たちが日本食について説明することはなかったため、どう説明すれば伝わりやすいか考えることは、私たちにとっても貴重な機会でした。食事後には生徒が各自準備した日本の伝統的な遊びを一緒に行いました。けん玉や、あやとり、折り紙などみなさん初めて見たり触れたりするものにとても興味を持ってくださいました。
今回の交流では、去年の交流をとても楽しんでくださり、卒業された方でももう一度来日したいと訪問をしてくださった方が多くいらっしゃいました。同じ高校生であったり、歳の離れた方であったりと、グループによって会話の楽しみ方がそれぞれ異なっていたのも印象的でした。チェコ共和国ではあまり日本については知られていないようでしたが、今回の訪問を通して私たちの学校だけにとどまらず、日本文化にも興味を持っていただけるような交流ができていたらとても嬉しいです。
これからも提携校や、他の国からの訪問団との交流を予定しておりますが、お互いにとって成長できるような会を行うことだけでなく、多文化交流も楽しみたいと思います。(高1 M.T.)
【高1国際コース オーケストラ部 音楽交流進行スタッフ生徒より】
9月27日、チェコからの訪問団をお迎えし、本校では午前・午後にわたって国際交流と音楽交流のプログラムが行われました。午前中は国際学級高一の生徒たちが中心となり、学校案内や日本の遊びの紹介、体育祭で披露した「みかぐら」のダンスを通して、チェコの皆さんと楽しく交流させていただきました。チェコの伝統的な歌やダンスを教えていただく場面もあり、文化の違いを肌で感じながら、チェコのことをたくさん学ぶことができました。
午後の部では、オーケストラ部・ギター部・合唱部の3つの音楽部がチェコの方々と音楽を通しての交流を行いました。まずは合唱部による演奏から始まり、続いて合同演奏に向けたリハーサル、そしてチェコの方々による演奏が披露されました。チェコの方々の演奏は普段耳にするものとは段違いで美しく、色々な時代、言語の曲を聴くことができ、貴重な体験になりました。私はオーケストラ部でフルートを担当しているので、特にフルートのソロ演奏には心を奪われました。他にも日本の伝統的な歌も準備して披露してくださり、とても嬉しかったです。
最後には、チェコの皆さんを含めた全員で、バッハの「主よ、人の望みの喜びよ」と「Kyrie」を合同で演奏しました。前もって各クラブで練習はしていたものの、全員が揃ってのリハーサル時間はわずか1時間という中でのほぼぶっつけ本番でしたが、音楽を通して心がひとつになり、最高の演奏をすることができました。言語や文化の壁を越えて、音楽が人と人をつなぐ力を持っていることを改めて実感した瞬間でした。
当日は音楽交流の司会も務めさせていただき、午前の国際交流・午後の音楽交流の両方に参加できたことを心から嬉しく思います。このような貴重な機会をいただけたことに、感謝の気持ちでいっぱいです。
It was such a special and unforgettable experience. I would really want to cherish the memories I got to make with the Czech friends. I hope that we could keep our music connection from now and on. Once again, I am truly grateful for the precious opportunity I got to participate in this program and be apart of the music we created together. Thank you. (高1 M. K.)
【合唱部 音楽交流進行スタッフ生徒より】
私にとって海外の学校の方々とこうして交流をするのは今回が初めてでした。
全員チェコ語を使うため、お互い英語で話すのにとても苦労しました。それでも歌う時は全員の声が一つにまとまり、音楽の偉大さを改めて感じました。いつも部活で練習している曲でも、男性の声が加わることで深みのある歌となり、今までとは違い迫力が増した演奏となりました。
また、今回はオーケストラ部、ギター部とも初めて合同演奏をしました。これだけの大人数で1つの曲を演奏するという経験があまりなかったため、初めて合わせた時は感動しました。
今回のチェコ訪問団との合同演奏で得た経験を、11月の記念祭や今後の部活動に活かしていけたら良いなと思います。 (高1 N. K.)
【ギター部部長 音楽交流進行スタッフ生徒より】
今回、チェコの訪問団の皆様との合同演奏に参加してみて音楽の力はすごいなと改めて感じました。言語の壁は多少あったものの、一緒に演奏をしたことで分かり合えたことがあると思います。また、私は総合司会もやらせていただき、これまでにない経験をたくさんすることができました。いくつか不安な点はありましたが無事に終えることができよかったです。チェコの方々はとても優しく、最後には私に直接感謝の言葉を伝えてくださりとても嬉しかったです。改めて、このような貴重な機会に参加できてよかったです。(高2 N.O.)