生徒の活動
ヒロシマ研修旅行
本校では、原爆が広島に投下された8月6日にあわせて、隔年で「ヒロシマ研修旅行~ヒロシマのこころを学ぶ旅~」を実施しています。
5回目となる今年は、中2から高二まで8名の有志が参加しました。
8月5日(月)昼に広島に到着し、まずは被爆体験者の方からお話をうかがいました。74年前、いつもの朝が一瞬で変わり果ててしまった、その風景を想像することができました。そしてお話のあとに沖縄県北谷町、愛知県、東京都新宿区など各地から集まった小・中・高校生がそれぞれのグループに分かれて、意見交換を行いました。その後、原爆資料館に赴き、ゆっくりと時間をかけ、今年4月にリニューアルされた1つ1つの展示をじっくりと見ました。生徒たちから「もっと見たかった」「まだまだ時間が足りない」との声が聞かれました。
6日(火)原爆の日には、雨が降る中、広島市主催の「広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式」に制服で参列し、ちょうど原爆が投下された時間に合わせて黙祷をささげ、犠牲になった多くの方々を追悼しました。その後、広島被爆者援護会主催「献花・献水式」にも参列。リーダーの高二生徒がスピーチを行い、参加者全員、献花をしました。その後、袋町小学校をはじめ市内の被爆建物を見学し、フェリーに乗って宮島へ移動。7日(水)は、厳島神社を参詣したあと、島内を散策しました。2泊3日、暑い中をたくさん歩いてたくさん学び、帰京しました。
~献花・献水式の生徒のスピーチ(高校2年)~
本日は、広島市原爆死没者慰霊式及び、被爆者援護会の献花・献水式に参列させていただき、ありがとうございました。平和な未来を作りたいという強い思いを胸に、今日ここに集うことができ、嬉しいです。
昨日、被爆者の方のお話をうかがったあと、平和記念資料館を訪れました。お話をうかがったあとに、資料館を見学したことで、日常を一瞬にして壊してしまう核兵器の恐ろしさを改めて実感しました。特に資料館に展示されている、被爆された方々によって描かれた絵は、見ている私の心を強く揺さぶる何かを持っており、私にはそれがとても印象に残りました。私は、2年前にもこの研修旅行に参加しました。前回の被爆者体験講話でも、被爆された方の体験をお話ししていただきましたが、今回はとても幼いときに被爆され、その後お母さま、おばあさまからお聞きになった内容も聞かせていただきました。私たちは、体験談を聞き、知るだけではなく、その内容を自分たちで理解し、考え、そして語り伝える側になる必要があることに気が付きました。今回、被爆体験者の方のお話や、資料館での展示を見たのは2回目ですが、私の中で戦争や平和のとらえ方が、前回とはくらべものにはならないくらいに濃いものになっていると感じています。そうであるなら、また2年後、5年後、そして結婚して守りたいものができたあと…きっと何回来ても、新しいとらえ方・考え方が生まれるのではないかと思います。そしてこのことは、広島を訪れる誰もに言えることではないでしょうか。東京に帰ったあとも、今回、広島で感じたことを伝えていきたいと思います。またこれからも、自分自身の毎日の生活の中で、今感じていることを大切にしながら成長し、これからの未来のこと、平和のこと、自分にできることは何なのか、考えて過ごしていきたいと思います。そして、また広島を訪れたいと思います。
今日は、慰霊式、献花・献水式に参加させていただき、ありがとうございました。 2019年8月6日
~参加生徒の感想(中学2年)~
今回のヒロシマ研修旅行に参加し、世界各国が核兵器を保持する中で、唯一の被爆国である日本の広島を訪れ、平和について学ぶことができました。被爆者の方の体験をうかがう会では、とてもつらい思いや悲惨な光景や、本当の戦争の恐ろしさを、私たちのような次の世代へ伝えようとする思いがひしひしと感じられました。6日には、実際に平和祈念式に参列しました。この式典で、平和の鐘が鳴り響く中で、黙祷をしました。広島市長の「平和宣言」では、「一人の人間の力は小さく弱くても、一人一人が平和を望むことで、戦争を起こそうとする力を食い止めることができると信じています」という被爆者の方の言葉や、「不寛容はそれ自体が暴力の一形態であり、真の民主的精神の成長を妨げるものです」というガンジーの言葉が盛り込まれていました。また、そのあとに被爆建物をいくつか見学しました。1番印象に残ったのは袋町小学校に残された”伝言の壁”です。この壁については、国語の教科書に教材として載せられていたので知っていましたが、実際にその壁を目にすると、生存を確認するために必死に家族などを探した人々のことを強く感じることができました。
これからも私たちにできることは何かを考え、今回学んだことを記念祭の展示発表などを通してさらに多くの人たちに伝えていきたいと思います。
~参加生徒の感想(中学3年)~
私は、今年5月に修学旅行で沖縄を訪れましたが、戦争についてさらに学びたいと思い、今回のヒロシマ研修旅行に参加しました。今回の旅行で、私は被爆された方々の思いや魂を肌で感じました。原爆資料館では様々な写真や、資料、そして持ち主の写真が添えられた一つ一つの展示物を見て、そこに生きていた人々の命や人生が本当に一瞬で失われてしまったことを感じ、手がふるえるようでした。どの展示を見ても、人間が、人間ではないように見えました。これまで、わかっていたような気になっていた自分が、本当は何も知らなかったのだ、と改めて思いました。学校の授業で、教科書を通して勉強するのと、実際に被爆地を訪れ、見て、被爆者の方の体験談をうかがって…というのでは、比べものにならないくらい、感じ方・考え方が違いました。私はこの旅行から、たくさんのものを得ることができ、これからの大切な財産になったと思います。今回の旅行の中で、心に残った言葉があります。「小さい努力は遠回りだと思うかもしれない。でもそれが一番良い方法なのです」「『ごめんね』『ありがとう』はきっと伝わります。お互いに認め合い、助け合って生きることが何より幸福なことです」被爆の体験を話してくださった方の言葉です。小さなことでも無駄には絶対にならない。これは私たちがこれからを生きていく上でとても大切な言葉だと思いました。とても充実した3日間でした。この3日間で学んだこと、感じたことは決して忘れず、後世に伝えていかねばならないと思います。また広島に行きたいです。