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生徒の活動

高二生徒の投書が朝日新聞に掲載されました

 朝日新聞6月13日(火)朝刊12面の「声」欄に、高校2年生の関花楓さんの投書が掲載されました。「若い世代こう思う」というシリーズのうち「いのち」をテーマにした回での掲載で、タイトルは「棺の曽祖母 暖かく見えた」です。全文をご紹介いたします。

【関花楓「棺の曽祖母 暖かく見えた」】
 私は、曽祖母との「よく来たね」「何年生になったの?」などと繰り返される会話が、ちょっと苦手だった。
 適当に返事をして違う部屋にいったり、愛想笑いをしてやり過ごしたり、そのくせお小遣いをもらえる時だけは調子が良かったり。曽祖母が少しずつ物忘れがひどくなって、老人ホームに入ると決まった時は、ちょっとだけほっとした自分もいた。
 小学校低学年の時、曽祖母は亡くなったが、知らされた直後は、私は深く悲しむことも涙を流すこともなかった。なのに、最後のお別れの時、棺(ひつぎ)の中で眠る曽祖母の顔を見たその瞬間、私は泣き崩れていたと思う。曽祖母の顔はなぜだか暖かく見えて、私はそれまでの行動を後悔した。
 あの日から何年が経っても、いのちを考える時、私は必ず曽祖母のことを思い出す。だから今ならきっと言える。「冷たくしてごめん」って、たったそのひと言を。

【国語科教員より】
 
授業の一環で作成した高校2年生の投書が、朝日新聞に掲載されました。本校では、高校2年生から様々な文章の書き方を学ぶ「表現演習」という選択科目を設置しています。
 文章を書くといえば、まず「小論文」を思い浮かべるかもしれませんが、本校では「新聞投書」や「エッセー」、「小説」の創作まで、幅広く扱います。人の関心を引きつけたり、心を打ったりする文章を目指して、毎週必ず文章を完成させていきます。そして、クラスで互いに読み合い、推敲を重ねたうえで、各種コンクールや団体に応募することで、校内にとどまらず社会での評価を得られる機会を模索しています。
 筆力の高い生徒たちですので、日々書く力を上げています。引き続き様々なコンクールにも挑戦していきます。