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関東大震災から100年が経ちました

 9月1日(金)、関東大震災から100年が経ちました。
 東京女学館は、1888年に永田町で創立しましたが、2年後の1890年には虎の門の旧工部大学校跡に移転しました。移転から30年以上が経ち、「虎の門女学館」と呼ばれて久しくなっていたところ、1923年9月1日の関東大震災で校舎は倒壊・焼失してしまいました。

 震災が起こる以前より、羽沢(現在の渋谷区広尾)を新たな校地とする準備が進められていましたが、震災を受けて移転事業は加速し、その年の11月には仮校舎での授業が始まりました。

 震災では、本校の生徒3名が亡くなっています(いずれも学校外)。1名は、鎌倉の別荘で倒壊した家屋の下敷きとなって亡くなりました。1名は、一家で火災を避けようと船で脱出したところ、火の粉が船に燃え移り、やむなく川の中に身を投じ、流されて亡くなりました。1名は、3万8千人の焼死者を出した本所の被服廠跡に一家で避難したところ、火災に巻き込まれて亡くなりました。同年12月、校地を移転した羽沢の仮校舎において、震災で亡くなった3名の追悼会が行われました。この追悼会で生徒が歌った唱歌の歌詞が残っています。

夢かうつゝか  忽然と
天地をゆるかす 大地震に
家の棟木の   くつれ来て
をしや散らしゝ 花一枝

ほのほの海を  のがれたる
船さへ焼けて  せん方も
波の底にや   入りにけむ
行方も知らず  なりにけり

広きを頼める  被服廠
業火やきつくす 三萬余人
なかにまじりて なつかしの
われらが友も  うせにけり

花のおもかげ  やさしのこゝろ
わすられがたき 友どちを
うばひさりたる まかつひの
神のみわざぞ  うらめしき
(『東京女学館百年小史』より)

 今年、東京女学館は広尾移転100周年を迎えます。節目の年を祝うとともに、震災の記憶もしっかりと受け継いでいきたいものです。