学習・進路
中学1年の総合学習で「ボランティア体験」を実施しました
10月25日(水)・11月1日(水)の2日間、中学1年の総合学習の時間を利用して、「ボランティア体験」を実施しました。
1回目(10月25日)は、視覚障がいをお持ちの3人の方と、ボランティアガイドの方、しぶやボランティアセンターの職員の方にご来校いただき、学年の生徒全員でお話をうかがいました。視覚障がいと言っても必ずしも一様ではないことや、iPhoneの音声が出るアプリケーションなどを利用して、日々の生活を送っていらっしゃること、そしてそれぞれの生活の中で考えていること、楽しみや自分らしさを大切になさっていることなどをお話ししてくださいました。
生徒たちは初めて知ることばかりで、とても興味深そうにお話を聞き、休み時間にはたくさんの生徒が3人の視覚障がいの方を囲んで話しかけたり、質問の時間にも各クラスの生徒から次々と手があがってなかなか質問が途切れませんでした。「街中で白杖を持っている方を見かけたら、声をかけてもよいのでしょうか?」という質問に対しては、「かけてよいです。『何か困っていらっしゃいますか?』と声をかけるとよいです」というお答えでした。信号が青に変わったことや、電車で空いている席を教えてあげるなど、中1の生徒にもできることがありそうです。講師のお一人は、よく渋谷駅を利用され、日赤にも通院されるそうで、「『もしボクを見かけたら、ぜひ声をかけてください』と皆さんに伝えてください」とおっしゃっていました。
2回目(11月1日)は、渋谷区にある社会福祉法人パールさんから、生まれつき視覚に障がいがある職員の方が来校してくださり、白杖の使い方、ガイドの立ち位置や案内の仕方などについて教えていただきました。そのうえで、生徒が二人一組のペアをつくって、一人がアイマスクをして白杖を持って視覚障がいの立場、もう一人がそれを補助するガイドの立場となって、実際に段差や障害物のあるところを歩いてみる体験をしました。
アイマスクで前がまったく見えない状態だと、こわくてなかなか足を踏み出せない生徒もいました。また、ガイドをする側は、見えない人に対して足元の様子を言葉でわかるように伝えることが実はとても難しいのだということを初めて実感できたようです。
障がいがある方のことを知ることは、そうした方々も安心して生活できる社会を築くための、大切な一歩につながると考えています。生徒たちには、今回の経験をもとにして、人に優しく、誰もが暮らしやすい社会の担い手となっていくことを期待します。
【生徒の感想】
〇目が見えないという状態は、非常に怖く、特に階段を下りる際、がけを下りているような感覚でした。また。見えていたらすぐに通れるコースでも、見えないだけで何倍もの時間がかかり、驚きました。
〇ガイドでいるときは、ずっと声をかけてあげなければ、目が見えない人が不安になってしまうことがわかった。目が不自由な方のガイドになるのは大事な仕事だと思った。
〇今回初めて白杖の体験をして、ものすごく怖かったし、外にいるともっと怖いと思うし、不安な気持ちだということが、体験を通して学ぶことができました。その不安が少しでもやわらいだり、安心して外に出られるような町になってほしいなと思いました。また、困っている人がいたら、声をかけられるようにしたいです。
〇これからは、白杖の方が困っていたら声をかけて助けることができるようになりたいと思いました。目が見えない人の体験をしたからこそ、その人の気持ちになって不安がないようにしたいです。