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学習・進路

中学3年でキャリアガイダンス「15歳のハローワーク」を実施しました

 1月18日(木)、中学3年は、東京恵比寿ロータリークラブの皆様をお招きして、キャリアガイダンス「15歳のハローワーク」を実施しました。高等学校への進学を間近に控え、自分の将来の進路を考え始める時期に差しかかっている生徒たちにとって、様々な分野の最前線で活躍する方々から直接お話を伺うことができる大変貴重な機会となりました。
 最初に講堂で講師の方々をご紹介する全体会を行った後、【介護・福祉(言語聴覚士)】【設計デザイン】【起業・SDGS】【銀行・金融】【公認会計士】【会社経営】【弁護士】【医師】【情報サービス】【アナウンサー・スポーツジャーナリスト】の10の職業ごとに分かれて、それぞれお話を伺いました。
 講師の方々は、中3の生徒でも理解できるように分かりやすく丁寧に説明してくださりつつ、それでいて内容のレベルは下げることなく、ご自身の経験をふまえて具体的なアドバイスをしてくださったり、体験的な活動を組み込んでくださったりと、生徒のためにさまざまな工夫をしてくださいました。また、直接ご自身の職業に関わるお話だけにとどまらず、働くとはどういうことか、職業とはどのように選ぶものか、どのようなことをしておくことが将来のキャリアにつながるかなど、生徒たちが進路やキャリアについて考え、今からできること、今やっておいたほうがよいことなど、人生の先輩として温かい激励をくださり、生徒たちはいつになく集中して参加していた様子でした。

 本校の中3では、保護者の方に職業について伺ったことをまとめる「職業インタビュー」や、本人の興味・関心から大学での学問分野・職業の適性度を測るアセスメントテスト(学びみらいPASS)の受検など、本格的にキャリア教育に取り組み始めます。高校1年次には、箱根研修旅行において自分の夢を語る「3分間スピーチ」や、高校2年からの文系・理系コース選択を控えています。今回の「15歳のハローワーク」が、中3の生徒たちにとって進路やキャリアについて考え始めるきっかけとなり、今後の学業や様々な活動に取り組む動機づけとなることを期待しています。

【生徒の感想】

〔介護・福祉〕福祉系の職業が載っている本を見ていた際に、「言語聴覚士」というお仕事を初めて知り、とても興味があったのですが、今日初めて実際に言語聴覚士として働く方のお話を聞けて、とても楽しかったです。名前のイメージで、主に言語分野で耳鼻科専門のような印象を受けていたのですが、実際は発語のサポートだけでなく、「食べる」力のために病院食を考えたり、脳のMRI画像からどんな練習をすればよいかを考えたりなどもお仕事に含まれていて、医学的な知識も想像以上に必要なのだなと感じました。患者さん一人一人に対してアプローチの方法を考え、その人に会ったサポートをしていくことは、とても大変そうですが、その分、得られるやりがいも大きそうだなと思いました。「聞く」「話す」などの力は人間にとってかなり重要な力で、その力を伸ばす「言語聴覚士」はその人の人生を変える、素晴らしいお仕事だと思いました。(S.U.)

〔設計デザイン〕自分は絵を描くのが好きで、建物の構造や機能などを考えるのも好きだったのでピッタリだと思って「設計デザイン」を選びました。今回この講義を聴いて、最初に実際に家の間取りを考えたり、今まで考えたこともなかったことを考えることができて、とても有意義で楽しかったです。「デザイナーは、自分の創りたいものではなく、クライアントやその先を見てデザインをする」という言葉を聞いてとても腑に落ちたし、デザイナーという職業について見落としていた部分に触れられてよかったです。何よりも、先生が「大変だしストレスもあるが、やりがいも感動もある仕事だ」と言ってくださって、この仕事を前向きに考えたいなと思いました。(K.S.)

〔起業・SDGs〕今回、「起業」を選んだ理由は、私は以前から特に将来の夢は決まっておらず、今回選ぶときも悩みましたが、起業だったら多様性があってどの分野でもできるのではないかと思い、選びました。今回のお話を聞いて、私は今まで起業は個人の好きなこと、夢を実現し、新たなビジネスを生み出す一方で、最初は個人でやったり、不安定な職業だと思っていました。しかし、先生のおっしゃっていた「物事は必然である」という言葉を聞いて、起業したら必ずしも不安定になるとは限らないなと思いました。また、経営において大切なことに、「売上げより人の関係の質を高める、しっかりとしたフォロワーをつくる、社員の幸せなど人間関係を大切にしている」ということが分かりました。これは、今の私たちのような学生生活を送るときにも当てはまると思いました。このことから、起業ができるような人は、学生のときから大切なことをできるからなれるのかなと思いました。なので、私もこれからの人生、当然だけれど難しい、出会っていく一人一人との関係を大切にして、後の人生でも生かせるようにしたいと思いました。(H.I.)

〔銀行・金融〕先生の仕事は、私が想像するお金を数えたりするようなものとは全く違うものでした。ですが、「遺言信託」のアフターケアや、企業オーナーなどの悩みを解決し、人の人生に関わる仕事だと聞くと、「仕事とは誰かの役に立ち、喜ばれること」とおっしゃっておられたことと全く同じで有言実行していらっしゃって、銀行員とはお金のことだけではないのかと深く考えさせられました。入社後の自己啓発で取得する資格が意外にも多く、どの職業でも英語は必要なのだと思いました。融資もただお金を返してもらうのではなく、互いの信頼の上に成り立っているのだと思うと、常にお互いのためになるように考えている職業なのだと思いました。私も長所と短所を大切に、人と突き合っていきたいです。(M.H.)

〔公認会計士〕私の父が会計士なので、憧れを持って会計士を選びました。最初に様々な難しい単語が出てきて不安でしたが、日常的なシチュエーションから意味を説明していただけたので、理解することができました。会計士は、資格を持たなければ活動ができないので、たくさんの人が簡単に就くことができるわけではない、また専門的スキルが必要なことにより信頼を得やすい職業なのかなと感じました。サービス業でもあると思い、感謝された瞬間のよろこびが大きいとも感じて、さらに会計士を目指したくなりました。資格を取るための勉強はとても大変だし挫折しそうな気もするけれど、夢を持って頑張っていきたいと思います。(I.Y.)

〔弁護士〕私は法律関連の仕事に興味があるのですが、弁護士になるのは難しいからと視野に入れていませんでした。しかし、先生がご自身の仕事内容や他の方の情報まで話してくださったことで、弁護士という職業の実態を知ることができ、さらに興味を持ちました。また、今のうちにやっておいたほうが良いことまで教えてくださり、とても勉強になりました。本をたくさん読み、文を作る能力を鍛えたいと思います。また先生が教えてくださったことを活かして、弁護士になることも視野に入れて頑張りたいと思います。(M.A.)

〔医師〕母が心療内科医なので、親近感がわきました。先生は高校生時代に少しぐれていたそうですが、それでも今は3つもクリニックを経営している立派なお医者さんになられていて、人は努力することで何でもできるのだなと思い知らされました。先生は、ご自身で工夫されていて、患者さんとの距離を保つために連絡先の交換は絶対しない、SNSなども一切やらないと決めているそうです。また、患者さんと同じ目線で話すために、椅子の高さが高くならないように調節したり、椅子を整理整頓したり、診療が静かな空間で穏やかに行えるように考えていらっしゃって、感動しました。精神科医は医者の中で自殺してしまう割合が最も高く、病みやすいそうです。そのため、自分の身体、心の健康を大切にすることを心がけているそうです。解剖の実習に少し気が進みませんが、それでもたくさんの人を助けて、人の役に立ちたいので、そのために勉強を頑張りたいと思いました。(M.S.)

〔会社経営〕お話を伺うまでは、「会社の方針を計画する」など大まかな仕事のイメージしか持っていませんでしたが、企業が大きければ大きいほど強い責任が求められ、やりがいも多いと知ることができました。会社経営には、リーダーシップや協力することが大切だと学ぶことができたので、今からでもクラスなどでリーダーや班長に立候補してみたり、将来に向けて挑戦していきたいと思いました。まだ大学・職種・進路でとても迷っていたので、経営といういお仕事を詳しく知ることができて、さらに興味を持つことができました。自分が今得意な教科や技術を伸ばして、今後に希望を持ってがんばりたいです。(M.Y.)

〔情報サービス〕情報サービス業は、様々な業界と密接に関わっていて、とても楽しそうな仕事だなと思いました。私は小学生の頃、プログラミングスクールでUnityを学んでいました。中学に上がるタイミングでやめてしまったのですが、最近また興味を持ち始め、Web系エンジニアを目指して独学で勉強をしています。しかし、私はどちらかといえば文系の人間で、大学で行きたいところもITに関係していないので進路を迷っていたのですが、今回お話を聞いて、理系的なことが全てではないのだなと少し気が楽にになりました。将来の夢はまた変わるかもしれないし、自分の学びたいことを尊重して、プログラミングは嫌いにならない程度に楽しんで習得していこうと思いました。(Y.S.)

〔アナウンサー・スポーツジャーナリスト〕自分の声で不特定多数に情報を伝えるアナウンサーの職業は、とても素敵だと思いました。今回のお話しを聞いて、このお仕事は「見てくれている人の人生を変えられる」ということが、とても印象に残りました。また、ただ良い声で話すだけでなく、実況のときやキャスターのときなど、読む内容によって声を変えていると知り、だから視聴者は内容が入ってきやすくなっているのだなと思いました。私は、人前で話すことがあまり得意ではないけれど、積極的に勇気を出してたくさん話してみようと思いました。(K.M.)