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学習・進路

中3総合 平和学習 ~ハンナのかばん~

2学期期末試験・答案返却も無事終わり、冬休みも近づいて参りました。2学期後半の総合学習で、中学3年生は平和学習や弁論大会を行いました。まずは11月末に行った平和学習、「ハンナのかばん」の講演についてご紹介いたします。

「ハンナのかばん」の講演は、NPO法人ホロコースト教育資料センター代表の石岡史子さんをお招きして行われました。

ハンナは、13歳でホロコーストの犠牲になった少女です。彼女の両親も同じく犠牲になりましたが、彼女の兄・ジョージだけはアウシュビッツに収容されるも生き延び、1年前までご存命だったそうです。石岡さんはジョージから聞いたハンナの性格や家族のエピソードを紹介してくださり、生徒たちも「自分たちと同じく、普通に生きていた少女」としてハンナのことを想像できたようでした。

他にも、当時のユダヤ人が差別され迫害されている様子、ユダヤ人を運ぶ列車やアウシュビッツの建物など、多くの映像とともに、ホロコーストの悲惨さ、自由とは何か、人権とは何かについてお話してくださいました。

講演の間、生徒たちはじっと耳を傾けて聴いており、講演後の質疑応答では何人もの生徒が挙手して「周りと見た目は変わらないのに、どうしてユダヤ人と分かってしまったのですか」「ユダヤ人を助けた人はどうなったのですか」など伺っていました。

また、今回は石岡さんの知人でユダヤ人のヨアブ・ブルックさんがいらしてくださり、ホロコーストでご親戚が実際に経験したことを話してくださいました。

以下に、生徒の感想を紹介いたします。


・すごく驚いたのが、ジョージさんがハンナのことを快く話してくれたということや、現在の写真ですごく明るそうにしていたことです。沖縄の平和学習などで見たものでは、その悲劇を体験した方が話すのをためらっていたので、みんなに伝えたいという思いが最初からあったのかと思うとすごいと思いました。

・自分の家族や友人が、「その人がその人だから(今回のお話であれば、その人が、ユダヤ教の家に生まれたから)」、という理由で殺されてしまうのはやはり理不尽で不合理なことです。今回お話いただいたのはホロコーストについてのことでしたが、これは今の社会のいろいろなことにも当てはまると思います。私がもし自立した安定した大人になったら、その問題を解決する一因になりたいと思います。

・お話を聞いていて、「皆、ユダヤ人が悪いって言っているからユダヤ人は差別しよう」という当時の風潮に疑問を持つ人がもう少し居たらユダヤ人迫害は逃れられたのではないかと考えると、この風潮に疑問を持たなかった当時のドイツ人たちは、不安定な社会に相当苦しめられていたのだと思いました。だからと言って、600万人を殺していい理由にはなりません。この授業で大切なことは相手の気持ちになって考えるということだと思いました。もし自分が迫害される側だったらどういう気持ちになるだろう? と立ち止まってみたら、こんな迫害してはいけないと考えることができるでしょう。そういった想像力で、平和に一歩近づくことができると思いました。