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高二 能楽体験ワークショップ

6月24日(木)5・6限に、高二能楽体験鑑賞ワークショップを実施しました。例年、国立能楽堂にて鑑賞する学年行事ですが、現在の感染の情勢から校内での開催となりました。観世流シテ方能楽師の鵜澤光先生をお招きし、現代に生きる古典芸能である「能」について学びました。
はじめに、浮世絵や実際の写真、装束をお見せいただきながら「能」の歴史を学びました。「能」のあり方は時代と共に変遷しており、今日に近い姿になったのは江戸時代であること、登場人物の身分や性質で衣装が変わることなど、様々なことを知ることができました。
体験ワークショップでは数名の生徒が壇上に上がり、謡い方や足の運び方を実際に教えていただきました。鵜澤先生は大変あたたかい眼差しで生徒の興味や関心を引き出して下さり、体験した生徒も客席の生徒も、全員が一体となって「能」を身近に感じることができました。ワークショップの後半では囃子方の先生方がご登壇くださり、それぞれの楽器の特徴や演奏法について実演を交えながらお話くださいました。
最後に「杜若(かきつばた)」の舞囃子をお見せいただきました。生徒たちは学んだばかりの謡い方、演奏法などに関心を向けながら、一面に咲く杜若を想像し鑑賞いたしました。伝統ある良き日本文化に触れる、大変貴重な場となりました。

以下に、生徒の感想をご紹介いたします。

 能は、日本の重要無形文化遺産でありながら、今まであまり身近なものと感じることはありませんでした。しかし、先生方に能の歴史、装束、獅子等、様々なことを教えていただき、大変興味深く感じました。能は、シテ方が主役を演じるだけでなく、制作、衣装や道具に至るまで多くの担当を務めていること、獅子方はそれぞれの楽器を繊細に調整し奏でていることを知り、舞台に立つには鍛錬を積む必要があることもわかりました。また、鵜澤先生のような女性の能楽師もご活躍され、伝統を守りながら発展し続けていることも初めて知り、ぜひ先生の舞台を鑑賞させていただきたいと思いました。日本の伝統文化をより大切に思い、もっと学びたいと感じた時間になりました。本日は、ありがとうございました。

 今まで能を鑑賞したことがありませんでしたが、現存する世界で最古の演劇だと教えていただいてとても驚きました。時代の風潮により継承が危うくなったとしても、様々な人の画期的な試みや支援により、現在もなお発展を続けている能の歴史について学び、文化を守るためには多くの人の努力と情熱が必要なのだと感じました。他の演劇とは違い、雪を降らせたり大道具を用いたりするのではなく、言葉によって風景や場面転換をすることは能の面白い特徴だと思いました。見えないものを想像して趣を感じとることは日本文化ならではの楽しみ方だと思いました。