生徒の活動行事
中3「いのちの授業」を行いました
6月30日(水)に、中3は平和学習の一環として「いのちの授業」を行いました。講師は、医療コーディネーターであり、NPO法人楽患ねっとの副理事長、楽患ナース訪問看護ステーション所長をつとめていらっしゃる岩本ゆり先生です。岩本先生は、本校の卒業生でもあります。当日の授業は、放送室でのお話を、各教室のスクリーンでうかがう形で行いました。
看護師として、死を迎える患者さんに寄り添いながら、経験なさったこと、感じられたこと、そして忘れられない患者さんたちの姿を、やさしくわかりやすくお話ししてくださいました。岩本先生のお話は、静かに、ひとりひとりの心に染み入っていきました。以下は、生徒たちの感想です。
■私は人生の中で、まだ1度も身近な人の死に触れたことが無く、人の死とは一体どういうものなのか、よく知りませんでしたし、あまり考えることも無かったのですが、今回、岩本先生のお話を聞き、もし身近な家族や友達などの最期のときが近づいてきたら、自分に何ができるのか、自分は何をするべきなのか考えてみようと思いました。私は母によく「人はいつ死ぬか分からない。交通事故などでいきなり死ぬかもしれない。だから1日1日を大切にしなさい。」と言われますが、今回岩本先生の話を聞いたことで、その言葉の意味がより深く分かったような気がします。他人の命も自分の命も、より大切にしようと思います。
■私はこの講演を聞くまで、あまり死について考えたことがなく、死のことについてあまり興味がありませんでした。人はみんな死ぬものだからしょうがないなどと思っていたのですが、今回のこの講演会で死のことについてよく考えてみると、死はそんなに簡単なものではないということを思い知らされました。自分はあまり人の死などにまだ立ち会ったことがなく、小説やドラマ、映画などでの死しか見たことがなかったので、今回岩本先生の体験談を聞いて、とても現実味を感じました。人が死んだあとはどうなるのか?、死ぬ前にもうすぐ死ぬと自分で分かるのか?などお話を聞いて疑問がうまれましたが、その答えは人それぞれ違うのかなと思いました。本当のことは誰にもわからない、答えがない疑問とはこのようなものなのだと感じました。今回、岩本先生のお話の中で一番印象に残っているのは、死ぬまで1日1日を大切に生きていくということでした。後悔したとき、悲しいとき、嬉しいときなど、どれも死ぬ前になると大切な思い出になるといいなと思いました。
■私は今、先生と同様に看護のお仕事に就きたいなと考えています。具体的な計画などは全く立てていないのですが、看護師をめざすにあたって不安の1つとして、患者さんの死をどのように受け止めればよいのかということがありました。先生が300~400人の死に立ち会ってきたというお話を聞き、私にはそれだけ多くの死を見届け、残されたご家族の姿を受け止められるのか、講演会の最中もたくさん考えました。最後に患者さんの死を見届けるのはこわくないのかという質問を受けたときに、先生は「怖くない。自分の生きる糧になるから。」と仰っていました。なるほど、そういう考えもあるのかと思いました。それと同時に、看護師さんはとっても素晴らしい職業だと再確認しました。先生のお話を聞いているだけで涙が出そうになるくらい弱い私ですが、看護師という夢に向かってがんばってみようかなと思える、素敵な講演会でした。自分の限りある命に悔いがないよう、やりたいことを本気でやろうと思います。