4つの重点課題
心の教育・人格教育
東京女学館には、全教室に「品性を高め、真剣に学べ」という額が掲げてあります。そして、中学1年生から高校三年生まで、それぞれの学年目標があります。「明るい挨拶、きれいな言葉」「けじめをつけよう」「自立」「自己を見つめよう」「視野を拡げよう」「人格の陶冶」。まず「自分を知り、他者を知り、そのどちらも大切にできる心」を持ち、そして他者を思いやる心、感謝する心を育んでいきます。さまざまな日々の活動を通して、かけがえのない仲間と共に協調性を磨き、また、各自の主体性を鍛え、「問題を発見し解決する力」を養います。自らが先に立つリーダーシップだけでなく、自分ができること、すべきことを考えて役割を果たすインクルーシブリーダーシップも身につけていきます。6年間の学校生活を経て、一人ひとりが品性を備え、豊かな心を持った一人格として、羽ばたいていくことを目指しています。
主体性・協調性を育む取り組み
- 生徒主体の行事運営(体育大会、記念祭)
- 弁論大会、合唱大会、レシテーション発表会
- 生徒会活動(執行委員会・代表会議と8つの委員会による活動)
- クラブ活動(クラブ幹事会、部長会を中心とした運営)
日々の取り組み
- 朝礼時の黙想
- 講堂朝礼
- 朝の読書
- 道徳の授業
- 生徒による掃除
感性を育む取り組み
- 音楽会
- 古典芸能鑑賞
- テーブルマナー教室
- 茶道体験
- 華道体験
生徒の成長に合わせた取り組み
中学1年・2年
- 自己理解、他者理解、相互理解
- アンガーマネジメント
- スクールアイデンティティー
- 「自分史」の作成
- ボランティア学習
中学3年・高校一年
- 職業学習(15 才のハローワーク)
- 高一研修旅行(3分間スピーチ)
- 進路学習
- 探究学習
高校二年・高校三年
- 生徒会執行、クラブ幹事会
- 進路選択、進路決定
自国文化の理解
東京女学館の目指す「高い品性」には他者への理解、個々を尊重する心を備えているという意味があります。身近な人々との日常を含め、国際社会に貢献するためには、多様な価値観を理解して協働する心と行動する力の育成が必要です。日本で育まれてきた繊細な感覚や礼儀作法、言葉やしぐさのなかに込められた美しさや思いやりを理解して身につけることを日常の場面や体験学習で意識します。また、世界から日本文化に関心が寄せられていることに対して、日本の風土と歴史、精神性を理解して真に誇りと自信をもって発信できるよう、自国文化の理解の涵養に努めます。
茶道体験・華道体験
和の心を磨く
中1では茶道、中2では華道を体験します。ともに卒業生を講師に迎え、それぞれの精神性を学びます。基本的所作や自然と結びついた日本の美学を体験しながら、本校のモットーである「品性を高め、真剣に学べ」を先輩から受け継ぐことのできる機会ともなります。
古典芸能鑑賞(歌舞伎・能楽)
日本の伝統と奥深さを体感
例年、高一は国立劇場で歌舞伎鑑賞、高二は国立能楽堂で能と狂言を鑑賞します。鑑賞のマナーや舞台の構成などを学んだうえで、声の出し方・歩き方などのワークショップも行われます。また、年に一回開催する音楽会では、邦楽を鑑賞する年もあります。
高二修学旅行
古都を巡り歴史と文化を学ぶ
高二の3月に4泊5日で実施する修学旅行では、京都・奈良を訪れます。これに先がけて高二の5月に都内の寺社仏閣を巡るフィールドワークを行い、班行動の練習をします。寺社や史跡について念入りに事前学習を行い、タクシー班で巡る道順も地図を調べてしっかり計画を立てて現地へ向かいます。
教科の中での指導
自国文化を多様に学ぶ
体育大会で高一が披露するダンス「御神楽」。日本の神事において神に奉納するために奏される歌舞を扇子と鈴をもって躍動感いっぱいに体現します。高二の選択授業の「食物」は1年間、日本の郷土料理・伝統料理の調理実習を行います。四季折々の料理の名前の由来や年中行事との関係にもふれ、和食のこころと手法を学びます。音楽の授業内では、和楽器や邦楽についても取り扱います。
クラブ活動
クラブ活動を通じて、日本の伝統文化を学びます。
- 箏曲部
- 茶道部・表千家
- 茶道部・裏千家
- 華道部
グローバルシティズンシップ教育
様々なプログラムを通して抱いた疑問を分析し、解決策を考え、さらにどのように行動を起こすか、進むべき方向を模索し、一歩踏み出してみる。東京女学館での学びを通して、将来、世界の一員(世界市民)として「人と社会(世界)に貢献する女性」を育てます。
海外研修・姉妹校訪問団の受け入れ
英米文化圏に偏らず、近隣のアジア諸国をはじめとする各国の文化や考え方を学び、多様性の大切さを学びます。また、研修や留学で実際に現地へ出かけたり、国内の英語研修等を通して外から見た自国を見つめることで、相対化した視点を得ることができます。
グローバルコンピテンスプログラム
グローバル社会を生きていくための力~知識、スキル、マインドセット~を身につけるプログラム。中2・3の道徳・総合・英語の授業の中でオールイングリッシュで行います。
平和学習
世界や日本の歴史を学び、世界平和推進のために何をすべきかを考えます。(社会貢献学習、ヒロシマ修学旅行、アンネのバラ委員会、模擬国連、沖縄研修旅行、韓国文化研修等)
環境教育
グローバルな視点や未来への視座を持ち、環境問題を考えていきます。(ビオトープ委員会、環境学習、グローバルコンピテンスプログラム等)
ユネスコスクール
ユネスコスクールとは、ユネスコ憲章に示された理念を実現するため、平和や国際連携を実践し、ESD(持続可能な開発のための教育)を推進する拠点校のことです。本校は、文部科学省の国内審査を通過し、ユネスコスクール・キャンディデート校に認定されました。
STEAM教育
「自ら問題を発見し解決する能力を養う」ために、東京女学館では高一、高二で探究学習(課題探究)に取り組みます。問いを立て自由に考えるために必要な力=A(Art・Liberal Arts)と、取り扱う社会的課題によって必要になる力=S(Science)、T(Technology)、E(Engineering)、M(Mathematics)を教科を通して、また教科を横断して学ぶことで身につけるのが東京女学館のSTEAM教育です。
探究学習(課題研究)
高一、高二の探究学習(課題探究)では、グループワークなどの協働作業も入れながら、2年間かけて研究論文作成に取り組みます。最初に重要になるのが、研究のテーマ選びです。中学3年間の学びをもとに、高一ではさらに知見を広げ、SDGsと関連の深いものを中心に社会貢献できる課題を見つけ、高二ではその解決に向けたプロセスや方法を探究し論文を完成させます。
理科教育
中学では、実験や観察を中心とした体験的な学習とフィールドワークで論理的な思考力を育みます。高校では、物理・化学・生物を生徒の選択に応じて専門的に学び、演習を含めた授業で個々の進路に向けて総合力を養います。
芸術教育
個人の自由な発想を大切にし、多角的な視点を持つことが目標です。芸術を通して自己を見つめるとともに、他教科での学びと結びつけ、社会に発信できる人材を育てます。高校では、広い視点から芸術を学ぶ【芸術A・B】を新設しました。
情報教育
授業、委員会、クラブ活動やホームルーム活動など、学校生活の様々な場面でICTを導入しています。委員会やクラブでは、Microsoft Teamsで情報を共有し、電子黒板やタブレットを利用した効率的な授業も展開しています。本校にとってのICTは、学習の幅を拡げるとともに、メディアリテラシーや活用の意義を学ぶツールでもあります。※中学1年生から1人1台iPadを利用。
数学教育
数学の基礎力を身につけるために、中学生は全員が数学検定3級を取得することを目標としています。まずは中学1年生の3学期に全員必修で自分が選んだ級を受検します。また、中学1年生から高校一年生までは夏休みに数学の自由研究を行い、数学への関心を高め、理解を深めます。