竹村京さん
東京女学館での思い出
特に印象に残っているのはテニス部の活動です。当時テニス部がとても人気でくじ引きをすることになっていたので、一応引いたら当たってしまい入部しました。旧校舎の「心臓破りの坂」でのトレーニングや合宿はとても大変でしたが、今ではいい思い出です。また駒沢競技場でのカドリールもとても心に残っています。どの先生方も情熱を持って授業をしてくださいましたが、特に好きだったのは担任の浅野井先生の理科の実験でした。また文化委員会では映画鑑賞会を企画したり、校外では美術を習っていたことに加え、中・高の6年間は様々なことに挑戦できた、とても貴重な時間でした。
現在のお仕事
アーティストとして作品を制作したり、個展を開くなどの活動を行っています。昨年度までは東京芸術大学美術学部絵画科油画専攻非常勤講師として働いていましたが、今年度からアーティスト一本でやっています。私は、ベルリンを拠点に15年間芸術活動をし、三年前に日本に戻ってきました。日本では金原ひとみさんという女性作家の「蛇とピアス」という芥川賞を取った作品の表紙を描かせていただいたり、最近では箱根のポーラ美術館で個展を開きました。人間はそれぞれ文化や時代が違うから表現できることは全員違うけれど、アートではその全く合わない人たちが言葉を介さず同じものを共有することができる、それが私はとても面白いと思うので、その感情を大切にしながら仕事をしています。

Between Tree, Ghost has come(2011)
布に白黒プリント、合成繊維、釜糸、パーマネントペン370x300cm
Photo: Shinya Kigure
女学館での学びで現在に生きていること
女学館時代には女性の人間観察をしましたね。女学館での女性たちの出会いで、女性を、女というものだけではくくれないという多様性や、女性の枠組みにとらわれない、先入観では推し測れないものがあるということを学びました。そのことは、現在の仕事にもつながり、活かせていると思います。
(記者:高二 H.I・高一 R.K)
ありがとうございました