卒業生インタビュー
~わたしの東京女学館物語~
CAREER
TOKYO JOGAKKAN STORY
1992年卒

菊地智子さん

写真家・美術家
武蔵野美術大学卒
中高時代は、オーケストラ部に所属。
武蔵野美術大学造形学部空間演出デザイン学科に進学し、現在は写真家・美術作家として活躍中。
*写真集「I and I」第38回木村伊兵衛賞受賞

東京女学館での思い出

古いながらも美しい歴史ある木造の校舎で毎日学んだこと、床の木のテクスチャーや窓枠の美しさは今でも覚えています。そして、キャラクターが際立った先生方の個性的な授業はとても鮮明な記憶として残っていますね。高校二年生の時にはフランスへ一ヶ月、留学も経験しました。現在の仕事で映像作品を制作する際には、使用する音楽を考えたり、作ったりする過程があり、学生時代に入っていたオーケストラ部での活動、映画や作品に毎週末触れていた経験は、今でも生きていると感じます。

現在のお仕事

写真家であり、美術作家です。ドキュメンタリー的な要素を持つ作品を制作しています。私は美術大学を卒業後、香港に2年間滞在し、現在は中国に17年間住みながら活動を続けてきました。自分のテーマとして「マイノリティ」の方に焦点を当てています。撮影を受け入れてもらうために一緒に何年も住み、一つの作品に最低5年はかかります。現地の人に石を投げられたとしても、粘り強く居座れば、最後は仲良くなるんです。その過程の中で、最初にその場を訪れた際に持っていた自分の既成概念が崩れ、恍惚感の様なものを感じます。最近は、中国の作品だけでなく、日本の広島や福島の写真も撮影しています。

copyright:菊地智子「I and I」より

女学館での学びで現在に生きていること

特に社会科の授業が記憶に残っています。在学していた当時は、ソ連の解体やベルリンの壁崩壊が起きるなど社会が動くタイミングだったこともあり、現在のジャーナリズムへの関心に繋がっていると思います。最近は、写真もフィルムからデジタルになり、写真1枚の強さも大切ですが、その写真をどの様に見せるかも重要になってきています。私も映像作品を作る際は何かしら音をつけますが、この過程はオーケストラ部での経験が生きていると感じます。今は1つのことだけでなく、何でもマルチにやることを要求される時代です。私自身も、女学館時代にさまざまなものに触れた経験が今の仕事に生きています。中高生の時は見るものや吸収度が違うので、若いうちに何でも触れておくことは大切だと思います。

(記者:高一 R.K・高一 K.S)

ご協力いただき、
ありがとうございました