保護者の受験体験談
合格者番号「96番」
4年生保護者 H.M さん
合格者番号「96番」の掲示板を拝見した時の感激を忘れることができません。娘の持つ一生分の幸運を使い果たしたのではなかと今でも思います。あるいは、娘はとてつもないラッキーガールなのではないかと思うのです。それまで96「クロウする」番号・・・だと思っていたのとうってかわって、「クロウするけれど成功する」だったのねと泣き笑いしたことが思い出されます。
我が家の教育目標を具現化して頂き、さらなる高嶺に導いてくださるような東京女学館の教育方針は、まさに理想そのものでございましたので、娘の幼児期の子育てにおいても、歯車が合わないようなことはございませんでした。しかし、実際の娘との生活の中で、母親の指導力のなさや、娘の資質などから、思うようにすすまないこともあり、96「苦労」したのは、娘の「恥ずかしがりの性格」、その一点でございました。受験というのは、一生に一度のタイミングで娘の持つ力を表現しつくさなければならないからです。私学フェアで先生方にご挨拶させて頂ける機会を賜りましたが、案の定、娘は蚊の鳴くような声でニッコリするばかり。しかし、そんな娘に校長先生は「大丈夫ですよ。小学校で待っていますね。」と優しくお声をかけてくださいました。親の私自身も試験を前にして不安になり、どこにものさしを置くのか迷い、子育て方針の軌道を反れてしまいそうになりました時、個別相談コーナーで校長先生にご相談させて頂いたこともございました。本来なら、娘が自分の力で元気にご挨拶ができるようになるまで「待つ」ことが大切だと知りながら、ついつい背中をさすって応援してしまうことを、「子どもを安心させてやるよう励ますことは母親として自然な姿です。」と校長先生は大きく受け止めてくださいました。親子共にこの温かなお導きが熱く胸に残っております。
数々の学校行事にも参加させて頂きましたが、それは「参加しなければ合格できない」といった噂話に流された不純な動機からではなく、東京女学館の学びに触れさせて頂くたびに感激し、次はいつ、今度はどんなことを教えて頂けるのかしらと、楽しみを重ねた結果でございました。説明会での校長先生の真摯なお言葉を受け、たくさんの出版物を隈なく拝読し、まるでロマンティックな映画を拝見するかのように、その物語性を帯びた伝統に胸を打たれました。さらには、ある新聞記事のくだりに「伝統とモダニズムが見事に調和された素晴らしい姿」と評されていた通り、国際社会で活躍できる女性となるよう最高峰の目標があり、そこに向けて丁寧にスパイラルアップしていくカリキュラムは、沢山の複線型・経験型校外学習から、現代社会の姿と課題を学び取り、本物の力を宿すことで、揺るぎない自信を持たせ、女性リーダーとしての根幹を育てるものだと期待は高まるばかりでございました。
実際に通学させて頂くこととなり、それらがものの見事に実践されていること、日々さらに躍進されていることに、感心する毎日です。それは例えばノートの作り方など、小さなことから全てに浸透しているのです。自国の文化を深く知り、その真髄や表現方法を理解する、すずかけ。主体的に学ぶ力と行動力、情報活用力を体得するつばさ。共生していく世界の人々とのコミュニケーション力を養う国際教育。それらが手厚いプログラムに完全網羅されており、主題探求表現型の自ら考える力の育成をはじめ、他国の個人主義文化の良い点を取り入れることも怠らない理想的な教育が施されております。学習面におきましても、生活面におきましても、熟慮、研究、実践、改善、発展と、これほどまでに考え尽くされたご指導を賜われることを本当に幸せに思います。授業参観を始め、学校に一歩足を踏み入れさせて頂くたび、もう入学して4年目になりますが毎回感動させられることばかりです。
それに加えまして、目の前に起こった数々の事象に対してのご対応にもとても感謝致しております。未曾有の災害となりました東日本大震災をうけて設置された食品の検査機器、今後警告されている首都圏直下型地震に備えて配布されました緊急避難マップは、子ども達の健康や安全を第一に考えてくださり、出来うる限りを尽くしてくださっていることがひしひしと伝わって参ります。
他の立派なお嬢様方の足元にも及びませんが、平凡な家庭で育っている娘にも、品の良さ、純粋な真面目さが出て参りました。それは東京女学館という学び舎で過ごさせて頂く多くの時間によることに他なりません。娘のペースでゆっくりとではございますが、一日一日積み重ねられていく体験が、先輩方のように人として美しく生き抜き、銀髪の年を迎えられる日を楽しみに致しております。これからも、東京女学館の児童ならびに保護者として、全身全霊でその尊い教育を拝受し、一意専心、自己啓発に努め、二十一世紀を創造する、ひとかどの人となれますよう親子共々精進させて頂く所存でございます。門前払いではないかと諦めず、ただひたすら純心に東京女学館を受験したことを、何より嬉しく存じます。